新電力向け需給管理業務分野で、東京大学との共同研究を開始。 需要予測に関する研究成果を「らくらく電力EX」の拡張機能として開発・提供することに合意。

東洋システム開発株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:松本 博之、以下:東洋システム開発)は、本年4月より東京大学・新領域創成科学研究科(稗方准教授)と、電力供給分野における共同研究を開始しており、その成果を、東洋システム開発の100%子会社で、新電力向け需給管理システムを開発・販売している株式会社e電力ソリューションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:松本 博之、以下:e電力ソリューションズ)の製品「らくらく電力」 向けの機能として、開発・提供することに合意したことを発表します。

東洋システム開発はその子会社e電力ソリューションズとともに、電力自由化に向けたシステム製品の提供、各種ソリューションに積極的に取り組んでいます。

自由化された電力市場へ参入する小売り事業者に欠かすことのできない需給管理システム「らくらく電力EX」を開発し、これまでにおよそ50事業者での業務で活用されています。

その需給管理において、消費電力の需要予測の正確化と効率化は、電力小売り事業者共通の重要テーマであり、特にこの春からの電力小売り全面自由化によって、大口の需要家に加え規模の小さな需要家の需要予測も大きな課題となりました。

本共同研究では過去の実績データを利用した需要予測を行いますが、自由化からの期間が短いことと、需要家の特徴や行動の多様性のために、正確な需要予測に必要な実績データの蓄積が不足していると考えられます。よって、データ解析を中心とした「機械学習系」の技術に加え、需要予測の実務に関する知識をルールベースとして取り入れる「知識工学系」の技術を組み合わせた「ハイブリッド型の需要予測技術」の開発を計画しております。この技術開発のために、多くの業種において熟練実務者やデータからの知識獲得、ルールベースの構築、知識情報システムの開発に関する研究活動を行っている稗方准教授のグループの協力を得ます。東京大学と協力することで、時間帯による需要予測精度や誤差、電力の取引所価格の時間変動を考慮した事業性への影響度をビジュアルに提供する機能の開発も併せて行い、現在の需要予測業務を高度化することを目指します。研究成果はらくらく電力EXの需要予測支援機能の拡張として実用化させる取り組みを進めています。

東洋システム開発ならびにe電力ソリューションズでは、今年中を目途に「らくらく電力EX」の拡張機能として、本共同研究の成果となる需要予測機能を提供する予定です。

[提供予定機能]
a) 対象需要家(もしくはその集合体)の過去の30分電力量(実績値)をもとに、需要予測値を算出する機能
b) 需要予測値に対し、予測精度や誤差に関する情報を画面上でビジュアル表示する機能
c) 1日48コマのそれぞれの需要予測対象時間帯(30分単位)に対し、取引所価格を考慮した事業性への影響が大きいと判断されるコマを画面上でビジュアル表示する機能

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[関連組織]
東京大学大学院新領域創成科学研究科
人間環境学専攻 産業環境学分野
准教授 稗方 和夫
千葉県柏市柏の葉5-1-5

産業現場において知識をどのように扱うか,また組織の中での知識共有を支援する情報技術はどのようなものであるかについて産業に近い立場で研究を行っており、設計や製造プロセスから得られるデータの解析手法や実務応用に向けたシステム化を手掛けている。